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三方湖

 
 
<三方湖について>

三方湖(みかたこ)は福井県南部にある湖で、「三方五湖」(みかたごこ)とよばれる5つの湖沼群(久々子湖、日向湖、菅湖、水月湖、三方湖)の最上流部に位置します。面積は3.56平方km、最大水深は5.8m、平均水深1.3m、湖岸線延長は9.8kmです(第4回自然環境保全基礎調査による)。

三方湖は淡水湖ですが、水月湖や久々子湖などの汽水湖を通じて海ともつながっているため、固有性の高いコイ科魚類や天然ウナギなどに代表される豊かな生物相をはぐくんできました。こうした生物相が評価され、2005年にはラムサール条約の登録湿地となっています(保護制度は国定公園特別地域と特別鳥獣保護地区)。なお、沿岸には有名な縄文時代の遺跡である「鳥浜貝塚」などがあります。

浅い湖であることもあり、富栄養化がすすんでいて、ヒシ(Trapa japonica)などの水草が繁茂していることも特徴的です。また、ハス(Opsariichthys uncirostris)は、三方五湖のほかは淀川・琵琶湖水系にしか自然分布していませんでしたが、近年では三方湖における生息は確認されていません。

<三方湖における研究・教育・保全について>
三方湖では、以下のような研究や保全が進められており、こうした現場を活用した教育プログラムの実施を計画しています。
 
*多様な魚類相の再生に必要な生息環境の検討

 近年の湖内では、富栄養化、ヨシ帯の消失、ヒシ(浮葉植物)の繁茂、外来魚の侵入などの大きな変化が起こっています。そこで、魚類の生息場所としての三方湖の環境を評価し、どのような環境を優先的に再生すべきかを明らかにするために、魚類の餌環境の把握、生息環境としてのヒシ帯の評価、栄養塩・農薬負荷の評価を進めています。
 

*多様な魚類相の再生に必要な水系連結の再構築研究

 コイ科魚類のはじめ多くの淡水魚類は、湖-川―農業水路―水田がつながった水域ネットワークを利用してきました。しかし、近年の河川改修や圃場整備による水域ネットワークの分断化や、ウシガエルやザリガニなどの侵略的外来種の侵入によって、魚類の生息環境は不健全化が進んでいます。本グループでは、水田や農業水路に産卵するコイやフナ、二枚貝に産卵するタナゴ類を対象に、これらの分布や生息場所に関わる局所環境要因やランドスケープ要因の解明を進めています。また、水田魚道をもちいたネットワークの修復、侵略的外来種の効果的な排除手法の検討など、実践的な課題にも取り組みはじめています。
 


*三方湖の環境変化と地域社会:人文社会科学的復元

実体的なデータ・資料・統計などによる湖の歴史(Lake History)と歴史的な文脈・価値・思い・語りなどによる湖の物語(Lake Story)の両者から、湖や湖と人のかかわり、湖を巡る人と人のかかわりを明らかし共有して、自然再生の目標やプロセスを構想する手がかりを得ようとしています。具体的な方法論としては、聞き取り調査・資料調査、市民参加による協働調査などによって、三方湖水系に対する多様な利用やかかわりについて明らかにし、その結果をGISによって可視化することによって、流域の人間と自然のかかわりについての情報プラットホームの構築を行っています。

(モノクロ写真提供:若狭町)

*協働参加型調査による環境変化と水系連結喪失の影響評価

農業者、漁業者、地域住民、NGO、行政や研究者など多様な主体が協働した参加型生き物調査を実施しています。調査は、今後の対策や自然再生について話し合う場ともなっています。協働参加型の生き物モニタリングは,広域の監視体制の強化,人為的な生態系影響の早期検出や将来予測に必要なデータ取得にとって有効だと考えられます。